子供と子育てを応援する社会の実現に向けた政府の取り組み(総理府「子ども・若者白書」)

1 少子化対策の総合的な推進(内閣府)

政府では、子どもと子育てを応援する社会の実現に向けて、平成22(2010)年度から26(2014)年度までの5年間で目指すべき施策内容と数値目標を盛り込んだ少子化社会対策基本法(平成15年)に基づく大綱(「子ども・子育てビジョン」(平成22年1月閣議決定))等により、総合的な少子化対策を推進するとともに、平成27(2015)年3月に新たな少子化社会対策大綱を閣議決定した。
また、平成24(2012)年8月に公布された子ども・子育て関連3法(「子ども・子育て支援法」、「認定こども園法の一部改正」、「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」)に基づく子ども・子育て支援新制度について、子ども・子育て会議での具体的な検討を進め、平成27年4月より本格的に施行した。
新しい制度では「保護者が子育てについての第一義的責任を有する」という基本的な認識の下に
•認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(「施設型給付」)と小規模保育などへの給付(「地域型保育給付」)の創設
•認定こども園制度の改善
•地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実
により、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進する。

2 保育サービスの充実(内閣府、厚生労働省)

待機児童数は、平成26(2014)年4月1日時点で21,371人であり、4年連続で減少したものの依然として多くの子供の受入先が不足しており、待機児童の解消は喫緊の課題である。
平成25(2013)年4月に策定した「待機児童解消加速化プラン」に基づき、平成25年度から平成29(2017)年度末までに潜在的な保育ニーズも含め、合わせて約40万人分の保育の受け皿を確保する。
平成25、26年度の2か年で約20万人分(児童人口の減少などによる定員減少を加味すれば約19万人分)の受け皿確保が見込まれる。
平成27~29年度までの3か年、保育所等の緊急整備、小規模保育等の設置促進、認可を目指す認可外保育施設への支援、保育を支える保育士確保対策などにより、約21万人分の保育の受け皿を確保し、待機児童を解消することとしている。

内閣府は、平成26年度に、子ども・子育て支援新制度への円滑な移行を図るため、市町村の行う保育緊急確保事業を支援し、小規模保育支援などや、放課後児童クラブの充実など、子ども・子育て支援新制度における「地域子ども・子育て支援事業」の先行的な実施を図っている。

3 地域における子育て支援(文部科学省、厚生労働省)

少子化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化など社会環境が変化する中で、身近な地域に相談できる相手がいないなど、子育てが孤立化することにより、その負担感が増大している。
とりわけ、3歳未満の子供を持つ女性の約8割は家庭で育児をしており、社会からの孤立感や疎外感を持つ者も少なくない。

文部科学省は、保護者に対する子育て講座や学習機会の提供などの家庭教育支援を推進している。

厚生労働省は、身近な場所に子育て親子が気軽に集まって相談や交流を行う「地域子育て支援拠点」(平成25(2013)年度:6,233か所188)を整備し、子育て親子の交流の場の提供と交流の促進、子育てに関する相談・援助の実施、地域の子育て関連情報の提供、子育てと子育て支援に関する講習などを推進している。
また、乳幼児や小学生を有する子育て中の労働者や主婦を会員として送迎や放課後の預かりや病児・病後児の預かりといった相互援助活動を行う「ファミリー・サポート・センター」(平成25年度:738か所)の実施か所数の拡大を図っている。
さらに、子供やその保護者、妊娠している方が身近な場所で教育・保育・保健その他の子育て支援事業を適切に選択し円滑に利用できるよう、情報収集と提供、必要に応じた相談・助言などを行うとともに、関係機関との連絡調整などを行う「利用者支援事業」を推進している。

4 幼稚園における子育て支援(文部科学省)

文部科学省は、幼稚園が地域における幼児期の教育のセンターとしての役割を果たせるよう、「親と子が共に育つ」という観点から、子育て相談、情報提供、未就園児の親子登園、保護者同士の交流の機会の提供といった子育て支援の実施を推進している。
また、地域の実態や保護者の要請に応じて通常の教育時間の前後に行う預かり保育を推進するため財政措置などの支援を行っている。

5 認定こども園制度の普及促進(内閣府、文部科学省、厚生労働省)

内閣府、文部科学省、厚生労働省は、認定こども園が親の就労状況に関わらず施設利用が可能であるなど、保護者や地域の多様なニーズに柔軟に対応しうる施設であることから、引き続き地域のニーズや事業者の希望に応じて、その普及を図ることとしている(平成26(2014)年4月1日現在、全国で1,359件)。

6 子育て世帯の住生活の安定確保と向上促進(国土交通省)

国土交通省は「住生活基本法」(平成18年)、「住生活基本計画」(平成23年3月)、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」(平成19年)に基づき、子供を育成する家庭など住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定確保を図るため、子育てに適した住宅の確保の支援、小さな子供のいる世帯や多子世帯に対する公営住宅の優先入居、シックハウス対策などを推進している。

以上は、「総理府平成27年版子ども・若者白書」から「子供・若者の健やかな成長を社会全体で支えるための環境整備」の一部を抜粋しました。
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h27honpen/b2_04_04.html